ヤママンサク、スカシユリ、シマススキの3種を盛り花に直立型に生けました。ヤママンサク2本を主枝と副枝に生けます。葉は多すぎると鬱蒼とするので少し落として幹が見えるようにします。スカシユリ3本を、客枝に1本、主枝の添え枝に1本を中間高に、そしてもう1本を副枝寄りに中間低に生けます。そして今回はシマススキ2本の生け方がポイントです。1本は縦方向に生け、葉を前方と右方とに棚引かせます。葉は多すぎないように少し落とします。もう1本はお師匠様に教えていただいて、やや横方向に生けます。長い葉が左に棚引いて、もう1本のシマススキと立体的に交錯し、実に洒落た軽やかな造形となります。横方向に生けるとはいっても、横に広がり過ぎて弛緩しないよう留意します。ちなみに一番右に棚引いているシマススキの葉は、これだけ葉を別に生けたものです。このような技を習得してこそ細部まで行き届くというものです。ヤママンサク、スカシユリ、シマススキの形態、質感、色の対比が面白く、見事に初夏の涼味涼感を醸し出すことができました。ところでシマススキは長くは持たないそうで、明後日には取り除いてヤママンサクとスカシユリを生けかえることになりそうですが、そのころにはスカシユリの蕾が開くことでしょう。









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