マンサク、キク、ススキを瓶花(へいか)に直立型に生けました。見事に紅に色づいた葉を表に向けて主枝のマンサクを生けますが、色づいた葉を表にすると幹の弯曲が右に凸になってしまい悩ましいところです。副枝に型どおりマンサクを生けます。マンサクは余分な葉を落として幹を見せると躍動感が出ます。キクを客枝と、後ろの中間枝に生けます。ススキはマンサクやキクと融け合うように合間の空間に2本生けます。ちょっと重厚な雰囲気になりましたので、もう少し軽妙さが欲しいところです。

次に同じ花材を盛り花の直立型に生けかえました。
主枝に瓶花のマンサクを大分短くして生け、副枝にもマンサクを生けますが、こちらのほうは、瓶花とは別の枝を調達したところ、見違えるように華やかになりました。客枝と中間枝にキク。マンサクとキクの合間にススキを2本生けますと、花と花が語らい合い誠に愛らしい姿を見せてくれます。仕上げに前の足元と右の足元にマンサクの葉を生けますと、すみずみまで行き届いた気品のある作品となりました。さきほどの瓶花とはひと味違う風雅、可憐を醸し出すことができました。


















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