アオモジ、ストック、ベニツゲを花瓶に直立型に生けました(瓶花、へいか)。アオモジは3本で、主枝は花瓶の中に入る部分を10cm位確保したうえで、根元に切れ目を入れて小枝をT字に組み入れて紐で留めるのは基本通りです。副枝も同様です。次に1本のストックを客枝に生け、もう1本のストックは中間枝に生けますが、こちらは適宜に枝の下部を折り止めします。その次に主枝、副枝、客枝の3角形の真ん中の空間に3本目のアオモジとベニツゲを生けます。ベニツゲの渋い赤がアオモジやストックと上品なコントラストを織りなします。どの枝も安定位置に配するのには苦労しますが、ついに枝の向きも高低のメリハリも絶妙にバランスし、移ろいやすさの中に力強さを表現できたのは、ちょっとした奇跡です。清澄で明るい早春の趣を映し出した珠玉の作品となりました。花瓶の口の左下1/4に枝を集めるのが安定させるコツですね。


















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