アカメヤナギ、キク(黄)、クジャクギク(白)の3種を「傾斜型」に生けました。今日のポイントは「思い描いて矯める」です。
アカメヤナギは全部で5本、主枝と添え枝、副枝、それに2本の中間枝(つなぎの枝)です。力強いアカメヤナギを主枝に選び、両手でしっかり持って、日当たりで色づいた面を上にして、S字状に矯めてから生け、そのそばに添え枝のアカメヤナギを生けます。副枝は真横よりはやや後ろ。中間枝の2本のうち後ろの1本は主枝と同じくらい長いものを用い、前の1本は一旦外に逃げてから大きく中に弯曲して入り込んでおり、なんとも洒落た佇まいです。次にキクは3本で、客枝に1本、それに添えるように1本、もう1本は後方で中間枝のアカメヤナギと顔を合わせるよう生けます。キクは背が高すぎない方が良い。画竜点睛に細いクジャクギクを2本、真ん中と前に置きますが、これは少し背の高いほうがよい。真ん中のクジャクギクは、大きく弯曲して入り込むアカメヤナギと向き合い語り合っています。一番前方のクジャクギクも背が高めで構いませんし、主枝と添え枝のアカメヤナギに可愛らしく対峙しています。
今回の作品では、すべての花があるべき位置にあり、隣り合わせた花と語り合い、全体として求心的なイメージを形作っています。なんと言ってもアカメヤナギの5本がしっかりした枠組みを構成しています。とりわけ大きく弯曲して中に入っているアカメヤナギが変化を与え、趣を醸し出していると同時に、作品の立体感を強めています。そして、この弯曲した形を「思い描いて矯める」からこそ、このように成形することができるのです。目的を持って矯めることが大事ですね。            

このような技はお師匠様から教えていただき
身につけるべき技と言えましょう。到底自力で思いつくものではありません。











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